厚生労働省は来年度、介護人材の恒常的に深刻な人手不足の状況を受け、東南アジアで人手確保を支援強化する。この主な内容は①採用活動の経費の一部補助②介護の教育プログラムの創設ーーだ。高齢化の進展により、政府予測を上回るテンポで介護が必要な高齢者が増える一方、外国人材の確保が思うに任せず、国際的な福祉人材の獲得競争が起きているためで、政府は外国人材の受け入れに戦略的に取り組む必要があると判断した。
厚労省の外国人材獲得強化策の一つは、特別養護老人ホーム(特養)を運営する法人や介護福祉士を養成する専門学校などをを対象にした渡航費の補助。東南アジア各国の日本語学校や、送り出し機関を訪問し、勉強や研修をしている若者らを対象に、日本の介護現場の魅力や待遇を伝えう説明会を開いたり、面接などの採用活動を行う費用に充てられる。1法人あたりの補助額は、国と都道府県から計100万円。厚労省は来年度、最大約100事業所の参加を見込む。
インドネシアでは海外への介護人材送り出しに積極的で、来年度から3年かけ介護技術の教育プログラム「KAIGO」を策定する。この事業に厚労省のJICA(国際協力機構)から、日本の介護保険制度や高齢者ケアの専門家ら計3人を派遣する準備を進めている。
出入国在留管理庁によると、介護の仕事に就くために、在留資格「特定技能」で入国した外国人は、2023年末時点で2万8,400人で政府目標の5割強にとどまっている。
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大阪市が全国最高の保険料抑制へ「介護予防」でPT発足
大阪市は65歳以上の高齢者が払う、全国最高の介護保険料低減に向けた取り組みを本格化する。市は「介護や支援の必要な高齢者を減らすことが、保険料の抑制につながる」として、「介護予防」に着目。横山英幸市長をリーダーとするプロジェクトチーム(PT)を発足し、今後3年間で重点的に対策に取り組む。
大阪市の今年4月から3年間の介護保険料は月9,240円。改定前より1,155円上昇している。全国平均の月6,225円を大きく上回り全国最高額だ。介護保険の財源は、国や自治体の負担金と、40歳以上が納める介護保険料で賄われる。保険料の負担割合は、65歳以上の高齢者と40〜64歳の人口割合を踏まえて3年毎ごとに改定され。65歳以上が支払う保険料も各市町村別に見直される。
介護保険料が上昇する要因は、被保険者である高齢者の増加に加え、高齢者が介護サービスが必要な「要介護」や「要支援」の状態になること。市の今回のPT設置には、要介護・要支援の「予防」を積極的に進めることで、介護保険料の低減につなげたい考えがある。