「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

「新しい認知症観」理解促進へ 認知症施策基本計画を了承

政府は11月29日、認知症施策推進本部を首相官邸で開き「認知症施策推進基本計画」案を了承した。近く閣議決定する。石破首相は認知症になっても「当事者が住み慣れた地域で、周囲とのつながりから希望を持って暮らし続けられる社会の実現が必要だ」としている。基本計画には、こうした「新しい認知症観」への理解促進などを盛り込んでいる。

厚労省 働く高齢者 満額年金 月収62万円まで拡大”働き損”解消

厚生労働省は、働いて一定の収入がある高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」の適用基準額(賃金と年金の合計)を現在の月50万円から62万円へ引き上げる方向で調整に入った。満額支給となる対象を拡大する。”働き損”を解消して、高齢者の就労を促し、人手不足対策につなげるのが狙いだ。

自公国 非課税枠「103万円」引き上げ合意 額が焦点に

自民、公明の与党と、国民民主党は11月20日、年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」対策として、非課税枠となる基礎控除などを引き上げることで合意、同日、合意文書に署名した。経済対策には、国民民主党が最重視する「103万円の壁」の見直しについて、年内に「税制改正の中で議論し、引き上げる」と明記した。
また、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除などのガソリン減税も、「自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」との方針を盛り込んだ。
これを踏まえ、国民民主党は政府の総合経済対策の財源を裏付ける今年度補正予算案に賛成する方針だ。引き上げ幅などは年内の税制改正協議で議論する。

厚労省「在職老齢年金」見直し 減額対象者の縮小で調整

厚生労働省は、働いて一定以上の給与収入を得た高齢者の厚生年金の受給額を減額する「在職老齢年金」制度を見直し、減額する対象者を縮小する方向で調整に入った。現在は給与と年金の合計額が月50万円の基準額を超えると減額されるが、62万円や71万円に基準額を引き上げる案などを検討する。高齢者の”働き控え”問題を解消し、深刻化する人手不足に対応するためだ。
総務省の集計によると、2023年の就業者6,747万人のうち、65歳以上は過去最多の914万人に上り、働く人全体の13.5%を占めている。高齢者の就業率は25.2%で、4人に1人が働いている計算だ。

24年の早期・希望退職募集 3年ぶりに1万人超え 企業1.5倍

東京商工リサーチのまとめによると、2024年1月から11月15日までに早期・退職募集した上場企業は53社(前年同期36社)で、前年同期の約1.5倍のペースで推移しており、集計の対象人員は9,219人(同2,915人)と3倍に増加し、すでに2023年の年間企業数と人数を上回った。
このペースで推移すると、2024年は2021年以来、3年ぶりに1万人を超えることが確実となった。これまでに明らかになっている早期・退職募集実施企業には日産自動車、武田薬品工業、富士通、第一生命ホールディングスなどがあり、大手企業でも人数非公開の募集が相次いでいる。

非課税世帯に3万円支給で調整 電気・ガス補助1〜3月

政府・与党は、11月中に取りまとめる総合経済対策に盛り込む住民税非課税世帯への給付金について、1世帯あたり3万円を支給する方向で調整に入った。電気・ガス料金の負担軽減策は10月末で終了したが、2025年1〜3月に再実施することを健闘している。
政府は給付金について、物価高の影響が大きい低所得者世帯向けに支給する方針を示していた。3万円に加え、子育て世帯では子ども1人につき2万円を支給する案も出ている。

近畿 35年には1世帯の平均人数2人を下回る 国が推計

国立社会保障・人口問題研究所の2020年の国勢調査に基づく推計によると、関西2府4県(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)に三重県を加えた近畿ブロック(7府県)では1人暮らし世帯の割合が増え続け、11年後の2035年には1世帯あたりの平均人数が1.96人と2人を下回る見通しだ。
とくに大阪府と京都府は2030年には2人を下回り、2050年には1.86人まで減少する。2050年の1人暮らし世帯の割合は大阪府で47.4%、京都府で47%、兵庫県で43.1%、和歌山県で39.3%、滋賀県で38.7%、奈良県で37.7%となる見通し。

75歳以上の単身世帯 50年に46都道府県で2割超す 国が推計

国立社会保障・人口問題研究所が2020年の国勢調査に基づき行った世帯数の将来推計によると、2050年には山形県を除く46の都道府県で75歳以上人口に占める単身世帯の割合が2割を超える。全国では75歳以上の単身世帯が2050年時点で704万人と、2020年の1.7倍に増加する。
75歳以上人口は、都道府県別では全国最多の東京は、2020年の50万人から2050年には90万人に増える。次いで多いのが神奈川(56.9万人)で、大阪(56.5万人)、愛知(41.1万人)と続く。75歳以上に占める一人暮らしの割合は全国平均が、2020年の22.4%から2050年には28.9%に上昇する。

2050年に単身世帯27都道府県で4割超 高齢32道府県で2割超

国立社会保障・人口問題研究所は11月12日、2020年の国勢調査に基づき、2050年までの世帯数の将来推計の結果を都道府県別で公表した。単身世帯の割合は27都道府県で4割超えとなると予測した。また65歳以上の高齢者の単身世帯は、32道府県で2割を上回る見通し。未婚世帯の増加や少子高齢化が原因。
全国の単身世帯は2020年時点で2,115万世帯(38%)で、都道府県別で4割を超えたのは東京都(50.2%)、大阪府(41.8%)、京都府(41.2%)、福岡県(40.7%)、北海道(40.5%)の5都道府県だけだった。これに対し、2050年には2,330万世帯(44.3%)に増える。地方における単身世帯の割合が高まり、4割超は27都道府県に拡大する。
65歳以上の単身世帯をみると、2020年時点では13.2%(737万世帯)だったが、2050年には20.6%(1,083万世帯)まで高まる。最も高いのは高知県(27%)で、徳島県(25.3%)、愛媛県(24.9%)と続く。
高齢の単身世帯が増えるのは、未婚率の高まりが大きな要因だ。同研究所によると、50歳までに一度も結婚しない人の割合は2020年時点で男性28.25%、女性17.81%に上っている。身寄りがない高齢者の増加により、医療や介護など地域での取り組みがますます重要になってくる。
全国の総世帯数は人口減少を反映し、2020年は5,570万世帯だったが、2050年には5.6%減の5,260万世帯となる。

厚労省 高齢者労災対策を法制化 シニアの職場環境の整備を

厚生労働省は企業に対し、急増する高齢者の労働災害を防ぐため、高齢者の労災対策を努力義務として課す方針を固めた。65歳以上の労働者は昨年、過去最多の914万人となり、この20年間でほぼ倍増した。これに伴い労災事故も増加。昨年、死傷した60歳以上は3万9,702人に上り、8年連続で過去最多を更新した。
人手不足を背景に増え続けるシニア層の働き手の職場環境を整え、転倒などの事故を防止する用求める。2025年の通常国会で労働安全衛生法の改正案の提出を目指す。