総務省が6月25日発表した2020年国勢調査の集計(速報)で、1世帯当たりの人数の減少が全国で進行している状況が浮き彫りになった。全国平均は2.27人と5年前の前回調査から0.11人減り、東京は1.95人と全国最低を記録、初の「2人割れ」に突入した。以下、北海道2.12人、大阪2.14人、京都2.17人、鹿児島、神奈川2.19人と続いている。これは都市部だけでなく、過疎地を抱える地方など全国で単身世帯が増えている。
社会でどう支える高齢者介護-単身化の進行で
単身世帯の増加が示す社会問題の一つが家族のケアが届かない一人暮らしの高齢者の増加だ。社会としてどう支えていくのか、極めて重い課題を突きつけいる。
日本はこれまで家族による高齢者のケアを期待し、そのことが社会保障費の増大をある程度抑えてきた側面があった。だが、単身世帯の増加で抜本的な見直しを迫られることになる。その結果、社会保障費のさらなる膨張圧力がかかる可能性もある。