厚労省 エーザイの認知症新薬の承認判断は審議継続に

厚生労働省の専門部会は12月22日、エーザイと米バイオジェンが共同開発した認知症の新薬「アデュヘルム」の承認判断について審議を継続する方針を示した。現時点で得られたデータから有効性を明確に判断することは困難との見解を示し、今後実施される臨床試験(治験)の結果などをもとに、再度審議する必要があるとした。厚労省は今後の審議日程を明らかにしていない。
アデュヘルムは認知症の6~7割を占めるアルツハイマー病の治療薬候補。同薬は患者の脳内に蓄積して発症の原因になるとみられているたんぱく質「アミロイドベータ」を取り除く。エーザイ、米バイオジェン両社は早期に投与すれば、症状の悪化を一定程度抑えられるとの治験結果を示したが、米国のFDA(食品医薬品局)、欧州EMA(欧州医薬品庁)の薬事当局の判断は分かれていた。