見守りサービス付きの高齢者向け住宅(サ高住)の入居者に、過剰な介護サービスを使わせて利益を上げる「囲い込み」が問題になっている。読売新聞の所管自治体へのアンケート調査によると、自治体の約4割は事業者による囲い込みを把握していた。ただ、約9割に自治体が新型コロナウイルスの影響や自治体の職員不足で、立ち入り調査を計画通りに実施できておらず、チェックが追い付かない実態が浮き彫りになっている。
サ高住では、安い家賃で集めた入居者を併設する自社のデイサービスに通わせるなどして、税金と保険料が主な財源の介護保険で利益を確保する囲い込みがあるとされている。囲い込みは、利用者の自立を妨げる過剰介護につながりやすく、介護給付費の増大を招いて保険料上昇の要因にもなるため、厚生労働省が自治体に指導の徹底を求めている。
調査は7~8月、全国で約27万人が暮らすサ高住を所管する都道府県や政令市など129自治体にアンケート形式で実施。対象の全自治体が回答した。