生活保護申請11年ぶり増 20年度22万8081件 コロナで雇用悪化

厚生労働省の集計によると、2020年度1年間の生活保護申請件数が計22万8081件(速報値)に上り、前年度から5,039件(2.3%)増えたことが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、飲食・宿泊業などを中心に雇用情勢が悪化したことが影響した。生活保護申請が上昇に転じるのは、リーマン・ショック後の2009年度に過去最多の34万9,223件となって以来11年ぶり。
生活保護申請は長らく減少傾向が続き、2019年度は22万3,042件だったが、2020年春に新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が初めて発令されたのを機に基調が変わった。2020年4月の申請件数は前年同月比24.9%増と大幅に増えた。
2021年3月の生活保護申請件数は2万2,839件となり、前年同月と比べて8.6%増えている。前年同月からからの増加は7カ月連続となり、増加幅をみると2020年9月は1.7%だったが、月ごとに少しずつ大きくなっている。