厚生労働省のまとめによると、非正規雇用を中心に20代から50代の働き盛りの男性の自殺者が8月706人、9月705人に上り、コロナ禍が深刻な影を落としている。これらは新型コロナウイルスの影響によるもの、中にはで突然、雇用者側から解雇と社宅の退去を求められ、何の準備もできないまま、失職とともに住まいを奪われるケースも少なくないという。
この20代~50代の働き盛りの男性の自殺者は、8月は昨年を6.6%上回っていたが、9月は同8.6%増となり、1カ月間で2ポイント悪化している。それだけ雇用情勢が厳しくなり、解雇・雇い止めが進行している証だ。こうした基調はまだまだ改善する方向にはなく、今後さらに深刻化することが懸念される。
東京商工リサーチのまとめによると、新型コロナウイルスの影響で倒産した企業は2月以降、累計で11月18日現在で728件に上っている。また、総務省や厚生労働省によると失業率や有効求人倍率も悪化している。全国の完全失業率は2.2%だった昨年11月以降、右肩上がりに上昇し、今年9月時点で3.0%に上っている。有効求人倍率も9カ月連続で低下して1.03倍にまで落ち込んでいる。
このほか、自殺者は女性でも増えている。今年9月は全国で640人に上り、4カ月連続で昨年同時期を上回っている。